コラム
COLUMN53年間の歩みに感謝を込めて ― 正岡さんご退職に寄せて

2025年9月、当社で53年間勤めてこられた正岡正一さん(84歳)が退職されました。
半世紀を超える長きにわたりアダルを支えてくださった正岡さんの歩みをご紹介します。
トラックとともに歩んだ日々
1972年(昭和47年)1月5日、食品会社でトラック運転手をしていた経験を活かし、アダルに入社された正岡さん。
当初は4トントラックを運転し、福岡から東京までの長距離輸送や、福岡から山口、山口から松山営業所へのフェリー輸送など、日本各地を走り続けました。
当時は現在のように物流の外部委託がなく、製作した家具を自社便で直接納品していた時代。
雪駄をぽんっと落として軽やかにトラックから降りてくる姿、小柄な体で1500〜1800mmほどの長椅子を一人で担ぐ姿は、今でも社員の記憶に残っています。
また、トラック荷台のホロをきっちりとかけ、納品後には美しく畳む几帳面さ、積載を「芸術的」と評される技術は、当時の仲間たちの手本でもありました。
家族を想い、物流部門へ
その後、奥様の体調を考え、長距離運転から社内物流部門へ異動。
「家族との時間を大切にしたい」という願いからの決断でした。
物流では、現場を支える縁の下の力持ちとして、会社の基盤を長年にわたって守り続けてくださいました。ここでも、ねじり鉢巻きをして作業をする姿が印象に残っています。

これからの時間へ
今回、体力の限界を感じて引退を決意された正岡さん。
「これからは三食昼寝付きの生活を楽しみにしています」と笑顔で語ってくださいました。
正岡さんの53年間は、まさにアダルの歴史そのもの。
会社を支えてくださった姿勢と誠実なお人柄に、心より感謝いたします。

長く働き続けられる会社を目指して
アダルには、正岡さんのほかにも勤続40年以上の社員が4名、38年以上の社員が8名在籍しています。長く働き続けられる社員の存在は、アダルの働きやすさ、そして「人を大切にする企業風土」の証です。
これからも、社員一人ひとりの歩みに敬意を払いながら、持続可能な職場づくりを進めてまいります。