今回のクラフトマンは、家具づくり約30年のベテランと試行錯誤で成長中の若手2名をご紹介。ともに製造1課で家具づくりと向き合うクラフトマンをご覧ください。

家具づくりの難しさを愛し、ただひたすら30年。

移転前の工場が完成した年に入社。アダルの成長とともに歩む。

製造1課 谷口 圭
加工したテーブル脚の品質をチェックする様子。

「私が入社したのは、前の工場がちょうど完成した年でした。まずは材料の整理の仕事から始まり、ものづくりへの興味はどんどん深まるばかりでしたね。そして今年は新しい工場へ移転となって、会社の成長を感じています。工場の誕生を2回も経験できたのは、とても感慨深いです」と語るのは、この道約30年のベテラン谷口。
別注品の中でも、テーブル・什器などを主に担当している。

宮古島での鮮やかな景色。様々な場所で家具が生きていることを実感。

長年にわたる家具づくりの中でも、特に印象的だったことがあると言う。
「もう15年ほど前ですが、工場で製作した家具を、沖縄県の宮古島の現場まで実際に取り付けに行かせていただいたことがあるんです。それは本当に美しい場所で、今でも鮮明に思い出されます。自分自身が製作に携わった家具が、この世界の様々な場所で生きていることを体感しましたし、その後のモチベーションにもつながりました」

目の前の家具だけでなく、周りの動きも意識することが大切。

とにかく、ものづくりが好き。なかなか上手くいかないところが魅力だと言う。

「丁寧で正確であること、技術の高さはもちろん大切ですが、それだけではプロと言えません。チームで段取りよく進められるように先のことを考え、課全体の効率を意識できるかどうかでも大きく変わります。 具体的に挙げるとすれば、例えば自分が使いたい機械を別の誰かが使っているときに何をしておくか。そして、その機械を使用したいメンバーがあと何人くらいいて、自分が使う時間はどのくらいで設定すれば適切か、というような感じです」と語る。

また、自分の中の世界だけでは限界がきてしまうと考え、他の職人や会社が製作した家具をじっくりと観察することで、技術の向上につなげているそうだ。

谷口の作業スペースには、これまで愛用してきた道具が大切に並べられている。 どれも愛おしい存在で、今日もその手に握りしめる。


自ら考え、チームで動く。役に立てるようコツコツと。

製造1課 岩井 達郎
「フラッシュ天板」と呼ばれる天板の下地材を製作する様子。
実家が製造業で、自然とものづくりに興味が。

入社3年目の岩井。実家が製造業ということもあり、子どもの頃からものづくりへ興味をもち、図工やプラモデルも好きだった。現在は、主にテーブルの天板の骨組みを担当している。

「仕事をこなしていく上で新たに分からないことと出会いますが、絶対にそのまま放置せず、その度に考え、質問して解決しながら動くようにしています。 チームワークがすごく大事で、早く役に立てるようになりたい」と力強く語り、次の工程へ向かう。

店内でテーブルと遭遇。次のモチベーションに。

家具づくりの壁にぶつかっても決して挫けず、楽しむ気持ちを忘れないようにしていると言う。自分の中にずっとある“つくることが好き”という気持ちに立ち返る。

そんな岩井の密かな楽しみは、誰もが知る有名店の中で、自身が携わったテーブル(特に天板)を眺めること。「自分が携わったテーブルが実際に使われている光景を見ると、あぁ役に立てているんだなと感じて嬉しくなります」と微笑む。

「フラッシュ天板」をプレス機で圧着する様子。
圧力を均等にかける為ずれがないかチェックをする。
感謝とともに日々コツコツ。楽しみながら挑戦を。

「周りの先輩方がいつも助けてくださり、本当に感謝しています。加工や仕上げなど、できるようになりたいことがたくさんあります。だからそのためにも、まずは目の前のことに日々コツコツという感じです」
心から楽しんで挑戦し、レベルアップを重ねていく。