今回の事例はラウンジソファのリメイク。
フォトスタジオのオフィスに設置してあるもので、造りは十分にしっかりしているが、デザインが古く、ほとんど使っていないというので張替えを提案したのだ。

リメイクしたソファは純和風建築のご自宅に設置することになったので、洋風のフレームを活かしつつ和の空間に馴染む張地のコーディネートがポイントとなる。まず、フレーム部分にはシンプルな織り模様が入ったうぐいす色の生地を選んだ。 太めのアクリル糸で編まれているもので、光を受ける角度によって生地の凹凸に陰影が生まれ、その表情を変化させる。

また、クッション部分にはアクリル100%の平織り生地を採用。この生地もまた、光や角度によって色の捉え方が変化する。さらに、シルクのような柔らかい光沢とウールのような風合いが、優しく上品な質感を創出している。

仕上がったソファを設置すると、縁側から差し込む陽を受け、朝から夕方にかけてゆっくりとその表情を変えていくのだ。

左:朝 / 右:夕方

和風庭とも相まって、高級感のある和モダンな空間に仕上がった。オフィスから自宅へ移った経緯もあり、なんだか定年して悠々自適な生活を送る先達のように思えてならない。これからはこの家で、オーナーと共に時を重ねていくのだろう。