テレワークへの移行や「ABW(アクティビティベースドワーキング)」の浸透などにより、オフィスの在り方・オフィスの意義が見直されてきています。
そこで今回は、ワーカーの満足度と生産性を高める環境づくり、これからの時代に求められるオフィスづくりに関して、実際の事例を通してお伝えしてまいります!
アダルも携わらせていただいたプロジェクト、ぜひご覧ください。

CASE1:and roots 株式会社

開放感と落ち着きのバランス。
フリーアドレスを軸にゾーニング。

[空間づくりのこだわり]
通信販売事業やWEBコンサルティング事業を展開しながら成長を続ける「and roots株式会社」のグループ企業の移転にともない、新たなオフィスづくりプロジェクトがスタート。
開放的で自由度の高いフリーアドレススペースを重視したゾーニングで、オフィス空間での多様なシーンに応えるレイアウト、コミュニケーションをスムーズにするレイアウトを実現しています。

[ポイントまとめ]
フリーアドレススペースの効果を 最大化するゾーニングと家具選定。

開放的で自由度の高いオフィス空間になるよう、フリーアドレススペースを重視。事前に必要な執務席数や会議室の数を抽出し、台形に近い特殊な形をした部屋の中で、フリーアドレススペースをできるだけ広く確保するためのゾーニングへの工夫がなされています。
また、オープンなフリーアドレスの失敗パターンとして、集中しにくいスペースになってしまうということがありますが、そうならないように、ほどよい緊張感と落ち着きが感じられる素材・色の家具をレイアウトしています。

[PICKUP]
照明・色・素材にこだわり、
ゆとりある快適な高集中ブースも設置。

オープンな共有スペースとは対照的に、半個室の高集中ブースも設置。
木や照明の温かみを活かしながら、落ち着いた色合い・素材でまとめ上げ、快適な高集中ブースを完成させています。音の反響も少ない為、オンラインミーティングも快適に行えます。ベンチソファとテーブルの脚部のデザインによって、アクセント的な効果を生み出しているところもポイントです。

CASE2:株式会社 梓設計

4本のランウェイを通してゾーニング。
5300㎡のメガプレートに、多様な働き方を創造。
【日経ニューオフィス賞「経済産業大臣賞」受賞】

[新社屋で新たなオフィスづくり]
1946年の創業以来、交通インフラ、ワークプレイス、スポーツ・エンターテインメント、都市・商業、ヘルスケア、物流・生活インフラの6つのドメインで建築業界を牽引してきた「株式会社 梓設計」が、その原点とも言える場所「羽田」への本社移転を決め、壮大な新社屋プロジェクトが始まりました。このプロジェクトの記録は書籍化され、同社の歴史に重要なターニングポイントとして刻まれています。

[ポイントまとめ]
ワーカーのアクティビティ(活動内容)を細分化し、
それぞれに応える多様な空間をレイアウト

大型物流倉庫を活用した5300㎡ものメガプレートに本社機能を集約し、「空港設計の梓」を体現するべく4本のランウェイ(滑走路)を縦横斜めに通してゾーニング。
ワークプレイスにおけるアクティビティ(活動内容)を細かく抽出した後、それぞれの内容に合わせた専用のエリア(ブレストスペース・会議室・集中ブース・ラウンジスペースなど)をレイアウトし、「ワーカー自らが働く環境を選びとれるオフィス空間」をカタチにしています。
4本のランウェイを軸にゾーニングすることで、ランウェイに公共空間としての役割が生まれ、「パブリックなランウェイ」と「特定の機能を備えた多様なエリア」といった構成に仕上がっているところも大きな特徴です。

6段階の座り心地を体感できるブレストスペース

パブリックなランウェイ上にレイアウトされた「ブレストスペース」は、クリエイティブなオフィスを象徴する場所で、アイディアやスケッチを壁一面に描ける巨大なホワイトボードが印象的です。
そして、そこに並ぶ6つのソファも工夫ポイント。それぞれ座り心地の異なる「座り心地比較ソファ」で、飲食スペース向け、ラウンジスペース向けなど、用途に合わせた6段階の座り心地を体感できます。

CASE3:株式会社 國場組

ホテルのラウンジをイメージして構築。
シーンに合わせて選べるゾーニングの心地よさ。

沖縄県を代表する大手建築・土木会社で、建築業・土木業・飲食業・サービス業など幅広く営む「株式会社 國場組」のビル内に多目的スペースを設けることになり、「ホテルのラウンジのようにくつろげる空間」を目指して構築されました。

[ポイントまとめ]
多様なくつろぎを想定し、
“快適な過ごし方”をレイアウト。

空間づくりのポイントは、多様なくつろぎシーンに応えるゾーニング。
丸テーブル席に加え、ランチミーティングにも使える6人席、1人の時間に適したカウンター席、ゆったりリラックスしたいときのソファ席など、広々とした空間を活用し、“快適な過ごし方”がレイアウトされています。

[PICKUP]
柔らかさや温かみを意識しながら、
画一的にならない技ありコーディネート。

くつろぎの空間ということで、丸みを意識した柔らかな印象のフォルムや、温かみのある色合いの家具をレイアウト。ただ、全体の統一感は守りながらも、単調で画一的にならないよう、近い色味で使い分けながらアクセント的に濃いオレンジを用いるなど、工夫を重ねています。

CASE4:フランクリン・テンプルトン・インベストメンツ 株式会社

木の温かみを活かしながら、
家具でリズムを生み出し“映えるオフィス”へ。

世界160カ国以上に顧客をもつ世界最大級の資産運用会社「フランクリン・テンプルトン・インベストメンツ 株式会社」のオフィスリニューアル。
まるで海外のカフェに訪れたかのようなリラックスできるオフィス空間に仕上げられています。

[ポイントまとめ]
心地よい調和とアクセント。
色味や家具レイアウトに工夫。

床のデザインに、木の色味と合わせた黄色を入れることで全体的なまとまり感を出しながら、多様な家具を配置してリズムを生み出しています。
木の温かみと相性の良い観葉植物をバランス良くレイアウトしているところもポイントです。

[PICKUP]
アームチェアの張地の柄の位置を
全脚で統一し、まとまり感アップ。

張地に柄が入ったアームチェアに関しては、そのポイントとなる柄の位置がチェアの背の意図する位置にくるよう全脚で統一。
様々なフォルムと色味のチェアが並ぶ中で、そういった細やかな統一感を大切にし、調和とアクセントのバランスをとっています。

CASE5:某従業員食堂

食堂の枠を超え、心身を癒していく。
「カジュアル+重厚」のくつろぎ空間

老舗メーカーの新しい工場内に新設された食堂。
「空港のラウンジ」をイメージし、「カジュアル+重厚」をテーマに構築。
その憩いの場・くつろぎの場は、実際にラウンジと呼ばれ、食堂の枠を超えて親しまれています。

[ポイントまとめ]
柔らかな光と木の温かみに、
ラウンジチェアのベストな組み合わせ。

広々としたゆとりのスペースに、大きな窓から降り注ぐ柔らかな光。
そしてそこに木の温かみとラウンジチェアが組み合わさり、癒しの空間が創出されています。

[PICKUP]
早めに出勤してくつろぐ
スタッフも多くて大好評。

ただラウンジチェアに座っているだけでも癒されるような空間なので、早めに出勤してくつろぐスタッフも多く、大好評の食堂です。

おしゃれ&快適で、ワーカーのモチベーションや生産性が上がるオフィス事例をご紹介させていただきました。オフィスの在り方・オフィスの意義が大きく変化している今、最大限のパフォーマンスを発揮できる空間づくりに、ぜひお役立てください。