アイコンの役割を果たすアイテムづくりがスタート

日本国内で業界屈指の店舗数を誇り、たくさんの利用客から親しまれるセルフ式のコーヒーショップチェーン「ドトールコーヒーショップ」。その原宿竹下通り店に存在感抜群の豆ソファが登場し、SNSを中心に話題を集めている。
原宿という立地特性を活かし、店舗のキャラクター性を強化することでブランドプロモーションの一環として機能させていこうと始まった本プロジェクト。アイコンの役割を果たせるアイテムづくりのため、プロジェクトメンバーが着目したのは、長い歳月をかけて親しまれてきたロゴだった。

“豆感”を追求!より映える工夫も!「豆ソファ」3大こだわりポイント

【ポイント1】ロゴ「O」の部分をソファの背で表現

ロゴの中の「O」の部分はコーヒー豆をイメージしたデザインであり、誰もが見た瞬間に「ドトールコーヒーショップ」を思い浮かべると言っても過言ではないほど認知度が高い。
そこで、その「O」を大胆にもソファの背で表現。ソファとしての機能性や耐久性が損なわれないことも必要不可欠なため、試行錯誤を重ねた。

【ポイント2】実際のロゴデータと同じ比率に調整

実寸大の試作品をもとに、デザインと座り心地のバランスを何度も検証してブラッシュアップ。豆の黄色の部分と中央の黒色部分の幅は、実際のロゴデータと同じ比率になるよう細やかに調整し、形状と質感どちらの面でも“豆感”を追求していった。

【ポイント3】より映えるようにパッチワークで工夫

さらに、豆の上部に位置するロゴの入れ方にもこだわっている。もともとは張地にインクジェット印刷をするという案が出ていたが、より映える方法を考え、アダル工場の職人たちがパッチワークを提案。実際に色味などのサンプルを製作しながら進めていった。
本来のロゴデータは背景が透明なので、縫い付ける下地の色についても検討を重ね、明るめの黄色・暗めの黄色・白・黒といった様々なサンプルで考察し、最もフィットするものを選んだ。

文字中央に入るラインはデータ上色がついていない透明色で、背景や下地色によって変化する


サンプルを用いた検討結果、下地の色は白色に決定

シンプルで衝撃的なデザインは、人が集まるフォトスポットに。

誰が見ても瞬間的に「ドトールコーヒーショップ」を思い浮かべる唯一無二のソファ。そのシンプルで衝撃的なデザインは、これ以上ないアイコンとして親しまれるようになった。
思わず座って撮影せずにはいられない、発信せずにはいられない、誰かに伝えたくなってしまう。なぜか不思議な愛嬌がある豆ソファには、今日も笑顔が集まっている。

ドトールコーヒーショップ 原宿竹下通り店
住所/東京都渋谷区 神宮前1-19-9
電話/03-6812-9184
納入商品/豆ソファ
ディレクション/株式会社ドトールコーヒー 設計デザイン室 宇賀神紀彦
家具デザイン/株式会社西脇一郎デザイン事務所
担当/東京支店 第3グループ マネージャー 水口卓哉