課題の分だけ工夫を重ね、「木陰で会議」をカタチに。

住生活関連の総合アウトソーシング企業「株式会社アクトコール」の会議室に設置されたミーティングテーブル。会議室全体のコンセプト「木陰の芝生の上で会議」から生まれた唯一無二のテーブルが、その会議室に辿り着くまでのプロセスに焦点をあてて編集した。

計8面の柄合わせに試行錯誤

事務的な会議室からの脱却を目指し、「木陰の芝生の上で会議」という全体コンセプトのもとに生まれたミーティングテーブル。木の影と木の葉がプリントされた、誰も見たことがないテーブル製作に挑むにあたり、そこには様々なハードルがあった。

まず、サイズが幅3メートル、奥行き1メートルと大きく天板を2分割にしなければならない。そのため、グラフィックがある面は天板と木口面で計8面となり、美しく柄合わせできるかどうかが肝となった。 工場での加工時の柄合わせに試行錯誤を重ね、ズレている箇所の写真データをデザイナーに送って調整を繰り返し、グラフィック突板の再出荷を経て、無事に美しい柄合わせを実現した。


配線ルートにも工夫

配線が見えないようにしたいというオーダーもあり、天板内にOAタップを仕込めるようにし、4箇所のコンセントをひとつにまとめることで、配線が目立たないルートを確保した。さらに、4箇所どこからでも出せるようにし、現場のコンセントの位置によって柔軟に対応できる仕様に仕上げるなど、工夫を重ねた。

搬入テストで検証し、組み立てやすい加工に。

工場で天板を組み上げてから搬入した方が柄合わせの精度は上がるため、実際に搬入できるかどうかの検証が必要だった。そこで、実物サイズの模型を段ボールでつくり搬入テストを実施。その結果、組み上げてからの搬入は難しいことが判明したので、現地で組み立てやすい加工を模索し、ボルト固定とビス固定で調整ができるように工夫を凝らした。

コンセプトの具現化で、クリエイティブな会議を促進。

切り株をイメージしたラウンド型のイスに、モスグリーンのカーペットと観葉植物。そして真ん中には、木陰を創出するテーブル。
この会議室に初めて入ったなら、大きな木を探して天井を見上げ、テーブルの上を確認せずにはいられない。まるで木陰の芝生の上にいるような感覚で、リラックスした雰囲気の中、会議が進められていく。

コミュニケーションや新しいアイデアを促進するクリエイティブな会議室が誕生した。

株式会社アクトコール
東京都新宿区四谷2-12-5 第6富澤ビル6階