側面の組子柄が印象的な円型のベンチソファ。見ているだけで無条件に癒しを感じ、思わず腰掛けてみたくなるのは、やはりその素材に用いられている「い草」のチカラが大きい。畳の素材としてなじみ深く、日本家屋には必要不可欠だった「い草」の魅力を活かし、守り継ぐために生まれたIGUSAファニチャーコレクション。

企画・開発は、まず「い草」の特性を理解するところから始まり、その段階で数ヵ月を要した。耐久性や色つやに優れた良質な「国産天然い草」のみを用い、「染め」と「織り」にも改良を重ね、業務用家具としての強度、そして独自性に磨きをかけた。一般的な畳よりも高密度に織り上げることで、絹のようなつやと肌ざわりを生み出している。

伝統素材「い草」だからこそ実現した、家具の新たなデザイン表現。その革新的なプロジェクトは、2019年4月にイタリアで催されたミラノデザインウィークでも注目され、「い草」の魅力を広く発信することにもつながっている。和の空間に馴染みながら、モダンで洗練された印象ももたらす。気品のある雅な上質感、そしてその中に息づく、どこか懐かしくて安心できる温かみが、たくさんの人を惹きつけ、くつろぎの場所を創り上げていく。

iori 円型ベンチ
本体=国産い草