コラム

COLUMN

「見える」をデザインする──ADAL CREATIVE PLACE OSAKA、始動。

福岡、東京に続き、アダルの大阪支店が「ADAL CREATIVE PLACE」としてグランドオープン。大阪屈指のビジネス街である本町へと拠点を移し、実際に家具に触れることができるショールーム機能を備えたライブオフィスとして美しく生まれ変わりました。

コンセプトは「THE SHOW(みてってや)」

新たな大阪支店のコンセプトは「THE SHOW(みてってや)」。家具だけでなく、人が存在して初めて空間が成り立つという考えから「コミュニケーションシーン(プロセス)が見える」をデザインすることで、人が働き共想していく場所を再構築しました。

家具をただ見せるのではなく、家具が置かれ、人が働き、会話し、アイデアが交わされる。そうした「プロセス」を見せる空間づくりを本質と捉え、空間設計を施しました。
社員はもちろん、訪れるお客様や取引先の皆様など様々な人が過ごす中で、空間がただの背景ではなく、対話や創造の“触媒”になる。「ADAL CREATIVE PLACE」の文字通り、見えることで生まれる創造をキーにしたライブオフィスです。

空間デザインを手掛けたのは、建築設計をベースに家具やインテリアの領域でも多くの実績を持つデザイナー、池田励一氏。

特筆すべきは、ビルの共用部からオフィス全体を一望できる円形のエントランスデザイン。通常、オフィスフロアはエレベーターを降りたあとに廊下や扉を介して入るのが一般的ですが、新オフィスでは、共用部からデザインを施すことで、オフィスに「入る」のではなく「見えてしまう」設計に。R(アール)を取り入れた曲面ガラスを採用することで、美術館や水族館のようにガラス越しに見たくなる要素として、空間の意識を高める仕掛けが施されています。

また、池田さんとアダルのキャッチボールの中から生まれた特注家具は、あえて定型をなくすことで様々な置き方・使い方を自分たちで見つけることのできるプロダクト。「THE SHOW(みてってや)」のコンセプトのもと、「見る・見える」ことで生まれる気付きや価値を体現できる仕掛けが随所に散りばめられています。



「快適空間」を、まず自分たちが体現する

「ADAL CREATIVE PLACE OSAKA」の大きなポイントは、家具そのものを実際に使っている状態で体験できること。展示された新品を見るのではなく、訪れた方が触れる・座る・動かすといった体験を通じて、使い心地を確かめることができます。
床材ひとつをとっても、複数パターンを試せるように設計されており、素材や質感の比較も可能。また、空間を通して製品を見ることで、納入後のイメージも湧きやすい点も魅力のひとつです。



椅子やテーブルといった置き家具だけでなく、本棚やベンチソファなどの造作家具まで、自社工場で製造した製品を一貫してコーディネートすることで、設計事務所やクライアントの皆様が「お客様を連れて、その場で具体的に話ができる」場所に。
また、アダル社員をはじめ、家具を「つくる人」「売る人」「使う人」が同じ空間や体験を共有することで、製品理解の深化にとどまらず、新たなアイデアや改善のきっかけを生んでいく。社名の由来である「Adviser for Amenity Life(快適空間のアドバイザー)」という理念を、自社のワークプレイスで実践する場でもあります。


開かれた場所としての大阪支店へ

5月末には、グランドオープンしたライブオフィスのお披露目の他、空間デザインを担当した池田励一氏を迎えてのトークイベントも開催されました。

「オフィスの設計というと、単に家具を並べるようなイメージを持たれがちですが、本質は“人”にある。空間を見せたいという気持ちもありますが、それ以上に“人”が見えるようにしたかったんです」と池田さんは語ります。今回の設計コンセプトである「THE SHOW(みてってや)」には、そんな思いが込められており、改めて新オフィスのコンセプトを共有する時間となりました。

「共用部の設計には、やっぱりこだわりました。通常、ビル内のオフィスは、共用部を抜けてから各テナントに入るのが一般的ですが、エレベーターを降りた瞬間に空間の全貌が見えるよう、入口そのものを円形にし、視線が抜けるように設計されています。見えるって、単にガラス張りにすることじゃなくて、そこに気配があること。ここに誰かがいて、懸命に働いているという実感のある空間の方が、人は安心できるんです」

また、池田さんは「家具と空間は、別の話ではない」とも強調します。家具単体ではなく、人がどうその中で過ごすのか、どう動くのか、家具と人との関係性を考えてレイアウトを組み、素材や高さなどにもこだわっていく。「家具って、時間の中で変わっていくものだと思っていて。少しずつ位置が動いたり、擦れたりして、時間と共に空間が育っていく。それを“見せる”ことができるのは、ライブオフィスだからこそできることですよね」と、変化を受け入れながら、関わる人たちの手でアップデートされていく空間であることが、今回のグランドオープンに込められたもうひとつのメッセージだと話してくださいました。

「ADAL CREATIVE PLACE OSAKA」として新たに生まれ変わった大阪支店。関西圏のお客様との出会いや、社内外のコミュニケーションのハブとして始動していきます。耐久性や使い勝手など、アダル製品の特長を実際に見て、触って、体感できる。カタログやオンラインストアだけでは伝えきれない価値を、ぜひ体感しにいらしてくださいね。





ADAL CREATIVE PLACE OSAKA

デザイン:REIICHI IKEDA DESIGN 池田 励一

空間デザイナー。  1981年滋賀生まれ、大阪芸術大学卒業。  株式会社インフィクス、株式会社乃村工藝社などを経て、2012年「池田励一デザイン」設立。  2016年「株式会社 REIICHI IKEDA DESIGN」に組織変更。  商業空間、ホテル、オフィス、会場構成、マンション・住宅などの多岐にわたるデザイン・ディレクションを行う。  
主な仕事として「日本新薬京都本社KOKU」、「ROHM東京ビジネスセンター」、「BnA HOTEL」、「BAKE」、「KURA CHIKA TACHIKAWA」、「8b DOLCE Foshan」があり、国内外問わず多数手がける。 大阪芸術大学非常勤講師。


住所:
〒541-0048
大阪府大阪市中央区瓦町4丁目7番8号 本町東榮ビル4階 地図を見る
営業時間:10:00~18:00 ※予約制(前日の18時まで)
定休日:土・日・祝日(年末年始、GW、夏季休暇など営業日に準じます。

前の記事
幾度の水害を乗り越えて。時代を超えて愛される定番ソファ「ケープ」 
  • 家具ものがたり

幾度の水害を乗り越えて。時代を超えて愛される定番ソファ「ケープ」 

次の記事 次の記事はありません