ヤフオク!ドーム内のコンコース。そこには、イスというジャンルを超越した、世界に一つだけの存在「ふうさんいす」がある。 その誕生のきっかけは、福岡ソフトバンクホークスらしい熱い気持ちとユニークな発想「ホームランを呼べるイスをホームラン席に設置したい」だった。すぐにプロジェクトチームを結成し、様々なアイデアを出し合った。試行錯誤を重ねた結果、たくさんのファンから愛され、ヤフオク!ドームの名物キャラクターになりつつある「ふうさん」に辿り着く。

「ふうさん」を、そのままイスにすること。実はこれは、極めて難しい挑戦であった。頭の部分を立体的に仕上げようとすると縫製ラインが出てしまい不自然になる。そこで中身の積層に工夫を凝らし、出来るだけラインが入らない方法で立体を実現。

さらに、立体なので顔のパーツの位置調整にも時間がかかった。また、「イスとしての役割」を果たすため、強度の確保はもちろん、「ふうさん」のお腹をクッションがわりにすることで、心地よく座れる設計にした。

子どもたちに喜んでもらえるように、座をふわふわに仕上げた。さらに、2人以上で写真撮影をした際は、ちょうど真ん中に球団のロゴマークが入る。「ふうさん」と一緒に遊んでいる感覚で、最大限に楽しんでもらえる仕掛けをちりばめた。そうしてついに完成したが、プレーの妨げになる可能性を考慮し、ホームラン席からコンコースへ移動。

場所は変更になったものの、さすがは「ふうさん」。2016年10月のクライマックスシリーズ時期、多くのファンが行き交う中で衝撃のデビューを果たした。応援席へ向かう人々は、突然登場した「ふうさんいす」に釘付け。絶好の撮影スポットとなった。

11月のファン感謝デーでも人だかりができるほどの賑わいで、反響は予想以上に大きい。もうしばらくすると、本シーズンが始まる。凄まじい応援熱の高まりの中で、「ふうさんいす」もドームに訪れた人々を活気づけるだろう。勝利を呼び込むそのイスは、たくさんの笑顔と歓喜に囲まれ、今日も最高のワンシーンを写し出す。

謎のキャラクター「ふうさん」
「福岡ソフトバンクホークス」の謎のマスコットキャラクター。2015年5月、ヤフオク!ドームに突如出現し、個性的な容姿と予測不能な動きによって、またたく間に話題となる。ドーム内の「ダグアウト」出身で、目標は「白星ジェット風船と空を飛ぶこと」。まだまだ謎が多く、目が離せない。