宇美町立学びの多様化学校への寄附と、地域とともに歩む支援のかたち

2025年4月、福岡県宇美町に新たな学びの場が誕生しました。
その名も「宇美町立学びの多様化学校」。これは、福岡県内で初めてとなる全日制の不登校支援型・小中学校(公立)であり、子どもたち一人ひとりの個性と状況に応じた「多様な学びのあり方」を実現するための学校です。
アダルでは、この新たな教育の取り組みに深く共感し、同校への寄附を行いました。また今後は、そこで学ぶ子どもたちの保護者への就業支援にもつなげていきたいと考えています。

この寄附の背景には、当社社員の家族が不登校という課題を抱えていた経験があります。本人と家族が直面した現実から、「子どもが自分らしく学べる場」と「その家族が安心して働き続けられる社会」の必要性を痛感し、本校の教育方針に深く共鳴する形で支援に至りました。

多様な学びを実現する、宇美町の新しい学校

宇美町立学びの多様化学校は、町の教育支援施設「うみハピネス」内に設置され、原田小学校・宇美南中学校の分校という形で運営されています。
<主な特色>
・一人ひとりに合った学びのデザイン
 生徒が自らのペースで学べるカリキュラムをオーダーメイドし、先生は「伴走者」として、生徒と同じ目線に立ち、自立を支えます。
・「ワンヘルス」教育を導入
 心と体、生物と環境のつながりを大切にする理念のもと、自然環境を活用した体験活動などを実施。
・ 安心と信頼を育む空間づくり
 登校することがゴールではなく、安心して「参加したい」と思える学びの場の実現を重視しています。

静かな学習スペースと個人のペースに合わせた時間割(小学生)
施設の平面図を制作するプロジェクトが進行中(中学生)

子どもと家庭の「選択肢」を増やすために

近年、子どもの不登校に伴って、保護者が仕事を辞めざるを得ないというケースが社会問題として注目されています。
「子どもを一人にできない」「付き添いが必要」といった理由から、就業機会が制限され、経済的にも精神的にも困難な状況に陥る家庭も少なくありません。
だからこそ、私たちは「学びの場を支えること」と「保護者の働く選択肢を広げること」は切り離せないと考えています。今回の寄附を一つのきっかけに、地域・行政と連携しながら、保護者支援の仕組みづくりにも挑戦していきます。

未来を、地域とともに

私たちは、子どもが安心して学び、親が安心して働ける――そんな当たり前の日常がすべての家庭に届く社会を目指し、企業としてできる支援を、できる場所で、ひとつずつ積み重ねていきたい。
今回の取り組みは、その第一歩です。今後も地域とともに歩み、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。