オフィスの移転は同時に進めなければならないことが多くあり、とても労力のかかる一大プロジェクトです。通常の業務を行いながら、漏れなくスムーズに移転を成功させるため、押さえておきたいポイントや基本的な流れをご紹介します!

準備期間は、基本的に半年は必要!

オフィス移転のスケジュールは、どんなに短くても3ヵ月、基本的には6ヵ月程度の準備期間を想定して組み立てていきます。それぞれの企業の規模にもよるため、あくまでも目安ですが、6ヵ月は見込んでいた方が慌てることなく安心です。 オフィスを退去する予定の日から逆算して組み立てていきましょう。

オフィス移転スケジュール&成功ポイント

それでは実際に、6ヵ月の準備期間を想定し、オフィス移転成功のためのスケジュールとポイントを解説していきます。

【6〜5ヵ月前:オフィス移転の目的を深掘りして明確化】

計画を立てる際、まず大切なのは、オフィス移転の目的を明確にすることです。

社員数が増えて広いスペースが必要になった、交通の便が良く出社・来社しやすい場所に移りたい、新しい事業を始めるため心機一転で環境を変えたいなどはもちろん、移転先のオフィスで実現したい働き方や業務フローを含めた移転後の理想のワークスタイルまで深掘りして鮮明にしておくことがポイントです。

現オフィス環境での課題点と移転後の働き方まで考えておくことで準備に必要な選択肢・判断基準が見えてきて、新しいオフィスでの快適性や生産性、そして社員満足度が格段に上がり、オフィス移転の効果を最大化できます。

【6〜5ヵ月前:オフィス要件を整理】

オフィス移転の目的を明確にした後は、その目的達成のためにベストなオフィス要件をまとめます。 移転完了したい時期に関しては、移転先で必要な各種工事(LAN工事・内装工事・電気工事など)の期間や家具搬入日も考慮して設定しておくと安心です。また、できる限り通常の業務に影響が出ない時期を選んで進めていきましょう。

《整理しておくべきオフィス要件》

・具体的な予算
・移転完了したい時期
・移転対象人数
・確保したい広さ
・会議室の部屋数
・パソコンや複合機などの設置数
・立地
・近隣の環境(飲食店や公共機関があるか等)
・駐車場

【6〜5ヵ月前:現オフィスの解約予約・原状回復の確認】

オフィス移転の6ヵ月前には、現オフィスの解約予約と原状回復の確認(期間・コスト)を行なっておきます。
特にオフィスビルの場合は、6ヵ月以上前でなければ解約が成立しないケース、解約料が発生するケースが多いので注意が必要です。また、壁・天井・床などの原状回復工事は契約期間中に実施しなければならないということも、あらかじめ想定して進めていきます。引っ越しの5ヵ月前までには、原状回復工事の業者選定も完了しているのが理想です。原状回復工事に関して特約条項などはなかったかも含め、現オフィスの契約書を改めて細かく確認しておきましょう。

【6〜5ヵ月前:物件調査&契約】

現オフィスの解約予約と原状回復に関する確認を済ませた後は、いよいよ新しい物件調査に入ります。事前に整理したオフィス要件をふまえ、まずはインターネットから情報を入手。仲介業者や不動産会社のホームページを中心に下調べです。
そして、実際に足を運んで現地を比較し、移転の想定日から5ヵ月前までには新しい物件を決定・契約しておきましょう。
契約年数・入居可能日・フリーレント期間(最初の数ヵ月の賃料無料期間)の有無・共益費・敷金の返金についてなど、細部までしっかりと把握し、後からの問題発生を防ぎます。

【4〜3ヵ月前:新レイアウトの決定】

移転先のフロアに合わせ、レイアウトを決めていきます。家具や複合機などはもちろん、LAN設備の配置計画や書類の収納計画も一緒にしておくことがポイントです。引っ越しの4ヵ月前までを目安に、レイアウトを決定しておきましょう。

【4〜3ヵ月前:家具什器の手配】

レイアウトの決定後に家具什器の手配を始めます。現オフィスから運び込むもの、廃棄するもの、新しく購入するものをリストアップして効率良く漏れなく進めていきましょう。

【4〜3ヵ月前:関連工事業者に依頼】

新オフィスでのLAN通信工事・内装工事・電気工事などを依頼する業者を決めます。工事の内容によっては、物件の管理会社が業者を指定している場合があるので、管理会社にも事前に確認を。

【4〜3ヵ月前:引越し業者の選定】

移転の3ヵ月前までには、引越し業者も決めておきたいところです。
コストを抑えるため、複数の業者への見積もり依頼をオススメします。
ただ、コストを抑えることも大切ですが、金額だけでなく、どこまで対応してもらえるのか、あるいは対応不可なのかまでしっかりと把握して決めることが重要です。

【4〜3ヵ月前:社員全体で情報共有・説明会開催】

移転後のレイアウト・パソコンなどの移動方法・引越しの作業スケジュールといった必要事項はもちろん、新オフィスのコンセプトや目指している働き方を会社全体で共有しておくことが非常に重要です。
そのため、必要事項が決定していれば、4ヵ月より前でもかまわないので、全体的な社員説明会の実施をオススメします。
また、引越しにともなって起こりえそうなトラブルを事前に抽出し、実際にそのトラブルが起きた際、どこの誰に連絡するべきかの窓口まで共有しておくと安心です。

【4〜3ヵ月前:オフィス移転の挨拶状の作成】

直前になって思い出しがちなのが、移転の挨拶状です。慌てることがないよう、引越しの3ヵ月前には準備をはじめ、送付先リストの作成や発送時期の検討なども行っておきます。

【2〜1ヵ月前:電話機・コピー機などの移設手配】

引越し2ヵ月前には、電話機(電話回線)やコピー機などの移設手配を始めます。特に電話番号が変更になる場合は、関係各社への連絡や印刷物の記載事項の修正も必要なので、漏れがないように慎重に進めていきましょう。コピー機やFAXがリースの場合は、移転後もリースを継続するかどうかの検討も必要です。

【2〜1ヵ月前:印刷物・ゴム印・ホームページ記載事項の変更】

オフィス移転の住所変更にともない、名刺・封筒・ゴム印なども新しい内容に変える必要があるため、早めに対応していきます。ホームページ内の変更は意外と見落とされがちなので、要チェックです。

【2〜1ヵ月前:原状回復工事の発注】

引越し2ヵ月前を目安に、あらかじめ決めていた工事業者へ原状回復の正式な発注を行います。

【2〜1ヵ月前:各種工事の実施】

オフィス移転まで1ヵ月程度の段階で、新オフィスの内装工事・電気やLAN設備の工事などを実施していきます。インターネットの工事は、想定以上に期間を要する場合もあるので、早めに動いておきましょう。

【2〜1ヵ月前:各種届出の提出】

各種届出の提出漏れにも注意が必要です。特に、法務局・税務署・消防署・社会保険事務所など官公庁への提出物は多いので忘れずに進めていきましょう。
郵便局への転居届も、きちんと提出したか確認します。効率の良い方法としては、チェックリストがオススメです。提出が必要な書類を事前にリスト化し、未提出と提出済が一目で分かるようにしておくと漏れなく進められます。

【2〜1ヵ月前:少しずつ荷物を梱包&スムーズ移転へ!】

一般的に移転の1ヵ月前には引越し業者から梱包材が届くので、現オフィスではもう使わないものから少しずつ梱包作業を進めていきます。
そして1週間前には当日の分担確認を行い、余裕をもってスムーズな移転を達成しましょう!

オフィスレイアウトのポイント簡単まとめ!

オフィス移転の検討事項で、とても時間を要するのがレイアウト決めです。オフィスの空間づくり・レイアウトに関する詳しい内容は別記事でご紹介予定ですが、そのポイントを最後に簡単にまとめました!

《ポイント簡単まとめ》

・現オフィス環境での課題を抽出し、改善できるように反映していく
・全体のコンセプトを決める
・「業務動線」を強く意識する
・数人が移動しても余裕のある通路幅を設定する
・できる限り分岐や行き止まりをつくらない
・コンセプトに寄り添うオフィス家具を選定する
・部署ごとに必要なスペースを明確にする
・「来客専用ゾーン」「来客と社員共用ゾーン」「社員限定ゾーン」で大きく分ける
・心地よい開放感と適度なプライバシーのバランスを意識する
・LAN設備の配置や書類の収納もあわせて検討する
・コミュニケーションを促進するスペースを入れる
・社員のリフレッシュスペースも大切にする
・ニューノーマル時代のワークスペースとして、対面を避ける
・ニューノーマル時代のワークスペースとして仕切りを活かしながらも、圧迫感がないように配慮する

移転は、デザイン性の高いオフィスへリニューアルする絶好の機会でもあります!
オフィスのデザイン性を高めることは、企業ブランディング・企業イメージの向上につながり、リクルートにも効果的です。
また、社員のモチベーションアップにもなり、生産性の向上も期待できるので、心地よくオシャレなオフィスづくりを、移転の際はぜひご検討ください!

企業の一大プロジェクトであるオフィス移転をスムーズに進めるスケジュールやポイントをご紹介させていただきました。
半年前から準備を始めても、あっという間に当日を迎えてしまうほど、やるべきことが多くありますが、理想の新オフィスをカタチにできる絶好の機会です。
どうしても計画通りにいかない場面はあるので、そんな時でも迅速に対応できるよう、余裕をもって効率よく進めていきましょう 。

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